Reformat

住人の日々の活動は、隔離された環境における静的な秩序を破り、人の心とその場の間にダイナミックな関係を作り出しました。私は孤立した空間を、景観とは何かを再発見するための観測装置と見なします。観測装置は、言語や文化によって意味を与えられた事象や現象で満たされた世界を初期化し、すべてのオブジェクトが等価な要素として組み立てられた、無名の世界を再構成する。

蓄積された人間の活動は、人工的な環境の中で異質なものとして前景に現れ、不可分の全体を形成します。

新しい秩序を創造する過程において、自然に人や場所へと与えられる創造性を観察することを目指しています。

 

写真家について

高田洋三　

高田が作り出す作品は、写真装置によって、現実の世界に含まれる虚構性を増幅させる。虚構の世界を複製するという同語反復的なプロセスは、ナンセンスと、現実の側面が醸しだす哀しさが共存する世界をつくりだす。画像加工に頼らないドキュメンタリーにも通じる撮影スタイルは、精緻な描写と客観性の高い作品をつくりながらも、作品は現実かフィクションなのか、一見しただけでは判別が難しい。高田はその景観の特異性をもって、日常の外にある世界へ想像力を広げるように促しながら、同時にその世界に住む人々の普遍的な生活や、彼ら／彼女らの生活を規定する風土的、社会的な側面について、静かに焦点をあてようとしている。作品は単なる風変わりな景観にとどまるだけでなく、人と自然、人と社会の関係の考察へと広い射程をもったものになる。

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