Capital
フランスの最も貧しい都市マルセイユでは、深刻な不況と社会的危機が長く続いています。港湾活動が衰退してから失業率は上昇し続け、犯罪率も高くなっています。
経済的に困窮し、行政機関もそれを黙認しているため、マルセイユはヨーロッパにおけるドラッグ市場の中心地へと変貌し、今やこの市場は、全世帯の55%が貧困ライン以下の生活を送るこのマルセイユの経済の柱となっています。
支配階級はこの都市のイメージを一新したいと願うようになり、その結果、最も象徴的な地域の再生を主眼とする、6億ユーロを投じた大規模な都市整備事業が行われ、2014年、マルセイユは「ヨーロッパ文化の中心都市」に選ばれました。
クレーンが撤去され、建築工事が完了した今、マルセイユの住民は悲喜こもごもの感情を抱いています。当初の約束に反して、財源は一部の地域や共同体の美化に投じられ、社会的・経済的に恵まれない区域は、完全に取り残されることになりました。
写真家について
アルノー・バッハは、最初は独学で写真を学び、奨学金を得てバルセロナ大学(UAB)でフォトジャーナリズムを専攻しました。
El Periodic de Catalunya新聞社とPublico新聞社の日刊紙部門で6年働いた後、フリーランスとなり主に社会問題に目を向けた作品を発表しています。この新たなステージで完成した「SUBURBIA」は、彼が2006年から2012年まで暮らしたパリ郊外の日常生活を描写したエッセイです。
ウェブサイト: www.arnaubach.com