Nature of Civilization

古来、人間の生活のすべてが自然に覆い囲まれていた時代より、人々は身の回りの植物や動物、気象現象に内在する神秘性を崇拝し、畏敬の念を抱き続けてきた。

理解の術を持たぬが故に、秘密のベールは常に身近に存在していることを知っていた。

そのベールは今や無惨に引き剥がされ、見向きされることもない。

”リンゴの種を蒔けば、やがて芽が出て、枝葉が伸びる。そしてまたリンゴを食べることができる”。

自然の恵みと呼ばれてきた産物と同じく、現代人は数多の電子デバイスからその表層的なアウトプットを享受している。

人間が生み出したテクノロジーの先端は遠く細く研ぎすまされ過ぎてしまった。

人類の誰一人として、もはや一人の手からこれらのデバイスを造り出す事はできない。

だとするなら、その内部に秘められたシステムには、「自然」という名が与えられるだろう。

 

写真家について
塩見 徹 
東京理科大学大学院理工学研究科博士課程修了。 国立研究所の研究員、その後広告写真のオフィスで働いた後、独立。現在はフリーランスの写真家として働いている。
http://torushiomi.jp/

 

 

 

 

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