Architecture of an Existential Threat
イスラエルには100万を超す防空シェルターが存在する。建国以来、自国を敵視する国々に囲まれた土地で、何度もミサイルやロケット弾による攻撃を受け、市民が犠牲になってきた教訓の結果だ。
現在は「市民防衛法」で地方公共団体にシェルター設置が義務付けられているほか、民間の家屋や事業所もシェルターを備えなければならない。これにより核や生物・化学兵器などによる攻撃を受けても、全ての国民がすぐに避難することができるようになった。
写真家のアダム・レイノルズはそれらシェルターを撮影し、写真集『存続の危機に関わる建築物』にまとめた。そこには、一般にイメージされる物々しい「避難場所」とは大きく異なる姿が映っている。
多くはくつろぐための家具や設備、装飾を備え、普段は音楽スタジオやフィットネスジムなどとして使用されている。生活に密着した形でスペースを有効活用するためだ。
イスラエルの日常に溶け込むシェルター。そこが避難場所としての緊張感がなく、明るい雰囲気を持つ空間であればあるほど、この国の人々の生活がいかに危険と隣り合わせであるかが伝わってくる。
写真家について
Adam Reynolds
アダム・レイノルズはドキュメンタリー写真家であり、主に中東に焦点を当てています。2007年にキャリアをスタート。アダムはフォトジャーナリズムと中東政治に焦点を当て、インディアナ大学のジャーナリズムと政治学の学士号を取得しています。また、イスラムと中東研究で修士号を取得しています。主な掲載誌にスミソニアン誌、ガーディアン、ブルームバーグ・ニュース、インディアナポリス・スター、ワシントン・タイムズ、AP通信、ノックス・マガジン、ロンドンタイムズ、ナショナル・クリスチャン・サイエンス・モニター、オーストラリアン・グローブ・メール 、ボストングローブなど。
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