Dougie Wallace  ドーギー・ウォレス

Dougie Wallace  ドーギー・ウォレス

 

アーティストステートメント

 

南と北の分断
スコットランド住民投票に向かう途中で撮影

「コールトン」―この様々な面で恵まれない都心部では男性の平均寿命は53.9歳です。イラクでは10年に渡る制裁と戦争、長引く紛争、自爆爆弾、暴動などの時期を経て、男性の平均寿命は60歳を優に超え、現在は67.49歳です。イランでは69.96歳、北朝鮮71.37歳、ガザ70.5歳となっています。

プロジェクト
ケンジントンとチェルシー地域を管轄する健康管理当局によれば、英国の出生時平均余命は、男性84.4歳、女性89.0歳です。

男性の平均寿命が最も低い地域は、グレーターグラスゴー&クライドの73.1歳です。女性も78.9歳と、英国最下位です。

私の故郷グラスゴーでは、期待できる平均寿命が54歳なのに対し、イラクでは、10年に渡る制裁と戦争、長引く紛争、自爆爆弾、暴動などの時期を経て、今や男性の平均寿命は60歳を優に超えているというのは、おかしいと思いました。ケンジントンとチェルシーでは、80代まで生きられる可能性が高いのです。私は、バスの車窓のプリズムから、同じ英国にあるこれら2つの地域を眺め、その上半分に注目することで、このような違いがなぜ生じるかを突き止めたいと思いました。

今まで正式に写真を学んだことはありませんでしたが、近くで撮影したために細部まで詳しくわかる写真が何枚か撮れました。気取った写真には写らない何かを、この写真は捉えていると思います。この被写体は考えに耽っているのかもしれません。おそらくこれは、誰かが見ているなんて思いもしなかった瞬間を捉えた写真です。私と目が合っても、それは束の間のことで、視野の片隅に入ったにすぎません。私は、1つのイメージを追求するよりも、プロジェクトに基づくアプローチに興味があります。意味のあるプロジェクト、社会に何かを訴えるようなプロジェクトを創造していきたいと思っています。

 

プロフィール

 

ドーギーはイーストロンドンに拠点を置く写真家で、グラスゴーで育ったことから、「グラスウィーギー」というニックネームで呼ばれています。長期に渡る社会的なドキュメンタリープロジェクトに取り組み、表現力豊かな市街地の写真を発表してきた結果、海外でも高く評価されるようになり、その作品は、ニューヨークタイムズ、ドイツのシュルテン誌等の国際的出版物に掲載されました。彼の著作「Stags, Hens and Bunnies」 (Dewi Lewis Media, 2014) および「Shoreditch Wild Life」 (Hoxton Mini Press, 2014) は、批評家に称賛され、評判になりました。ボンベイのタクシードライバーを独自の視点から捉えた「Road Wallah」は、2015年春に出版される予定です(Dewi Lewis Publishing)。彼はインスティチュート・アーチスト・マネージメント社に所属しています。

「ショアディッチでの生活を経て、人間の滑稽で厄介な側面や、制約されない行動に目を向けるようになりました。また、グラスゴーで育ったことが、『視覚的に誇張された』とか『妥協のない』と評される、私のスタイルに大いに影響しています。私の写真の最大のモチベーションとなっているのは、人間の行動です。私は、人と人との交わりや、人の感情に魅かれます。私の物語にはテーマがあり、その中で表現されているものには共通点があります。私の作品は、現代の商業文化の広がり、それが私の余暇時間に、そして海外旅行業界に及ぼす効果、そしてその必然的な結果としての企業と特定のブランドの優勢、といったことにヒントを得ています。それを社会的ウィット、批評、そして私のレンズを通したユーモラスな写真で表すことは、とても刺激的です。私の写真は、信憑性とおかしみのある個人的な視点を、伝えていると思います。」

 

Website: www.dougiewallace.com