Carlos Alba

カルロス・アルバ

About The Observation of Trifles(些細なことの観察):

人にとって「境界」の経験とは、矛盾をはらむものだ。私たちは常に境界線を引いている。同時に、歴史を通して(とりわけ近代において)、私たちは祖先が作り上げきた境目を越えようと試みている。現存する国境は過去の遺物として引かれたものが多い。ここ数十年、グローバリゼーションの主張者たちは、よりグローバル化した世界が、財やサービス、人々のより大きな動きによって、境目を冗長にすると主張してきた。確かに、グローバリゼーションはそれを示唆してきた。しかし移動性の拡大の一方で、地理的、象徴的、そしてバーチャルな形の境界線は、私たちの生活の中で、非常に際立った特徴として残っている。

私の作品“The observation of trifles(些細なことの観察)” (2013-2016) は、外国からの移住者が、いかにその新しい土地に自身の居場所を見つけ、また近隣の人々と関わっていくかについての物語だ。私自身が移住者である。私は路上で見つけた物を一種の視覚的考古学として用いることで、イースト・ロンドンとその住人を発見していきました。私が焦点をあてたのは、タワーハムレットとハックニー周辺。ちょうど、その境界に位置する場所に私は住んでいます。

オブジェクトと写真の組み合わせは、身体的でミステリアスな方法で、私の作品をオーディエンスに伝える助けをしてくれます。大量生産された都会的な家具、50年代-70年代にロンドン人と移民のために作られた低賃料の公共住宅、メモ、手紙、ドローイングなど。これらの要素のおかげで、私は分析的で表情豊かな世界を作り上げることが可能なのです。しかし、この作品における最も重要な側面は、路上で見つけた物から発せられたシグナルに、導かれるように出会った人々です。彼らこそが、未踏の世界と、新たな人生の物語を開くための鍵になります。

私たちは日常の中で、心理的、または文化的側面から境界線をひくという行為を行っています。アイデンティティや、帰属感、また相違感と呼ばれるものは、感覚的な境界線に委ねられます。 これは人間の認知活動における前提条件で、例えば良い/悪い、神聖/俗悪、大人/子供の線引きは、文化の影響を受けて、個人がその境界線を内在化させるものです。これらの線引きは恣意的に見えることもありますが、人々が日々の生活を理解するための文化的資源となっています。

“The observation of trifles(些細なことの観察)” は、コレクション、歴史、建築文書、視覚的・社会的分析の岐路に立つ作品です。写真の美学と写真の詩的価値を忘れないように試みています。

Artist Bio:

カルロス・アルバ (1984年マドリッド生まれ)
ロンドンをベースにフリーランスで活動するスペイン出身のヴィジュアル・ストーリーテラー。現代における人間関係に主軸を置いた作品制作を行う。彼の作品にはコンセプチュアルなアプローチが用いられ、それらは現代社会の問題を反映している。主な受賞歴に、Landskrona Foto Residency (2017)、Zona C Visual Artist Awards (2016)、Flash Fowards UK(2016)など。主な展示に、Format festival (ダービー、英国、2017), Ciudadela Museum (パンプローナ、スペイン、2017), La Fabrica Gallery (マドリッド、スペイン、2016)、PhotoEspaña (マドリッド、スペイン、2016)などがあり、作品は、世界中の様々なギャラリー、美術館で展示されている。
モノグラフに“The Observation of Trifles” (La Fabrica、2016)があり、同著は‘Photobook Phenomenon’ CCCB (バルセロナ、スペイン、2017), SCAN photobooks festival (タラゴナ、スペイン、2016) 、Impressions Gallery (ベッドフォード、英国、2016)などで展示されたほか、Tate Modernや、Harvard、Landskrona Museum、FotoColectaniaなどのコレクションとして蔵書されている。

Website: www.carlosalba.com